メガバンクは全国的に名前が知られており、全国各地に支店があるのが特徴です。そのため幅広いサービスを受けることができ、全国の企業を相手にしているため情報量が多く、会社の規模が大きくなればなるほど融資枠や金利を優遇してもらえるなどメリットが大きくなるのが特徴です。 しかし、自分の企業がまだ規模が大きくない場合はあまり積極的ではないメガバンクが多いです。最近ではメガバンクも資金繰りが厳しいため小規模であっても優良な企業の場合は積極的に売り込みに来るメガバンクも存在します。しかしこれらのケースは例外といっていいケースで、ほとんどの中小企業相手では大企業と比べてなおざりな対応をするメガバンクもあります。 また、メガバンクの方針が変わった際に規模が小さいとその影響を大きく受けてしまうというデメリットもあります。なぜなら銀行員にとっては自らの評価が取引先の成績で決まるため、本店や支店が一旦守りの方針を取ってしまうと少しでも業績の悪い企業から、冷徹に貸しはがしを行うことがあります。 このようにメガバンクは一見すると規模の大きさや全国的な知名度から一番安全だと考えがちですが、企業規模がまだ大きくない場合はそれによって生じるメリットはあまり生じません。そのため企業の規模がまだ小さかったり、全国的に事業を展開するつもりがない場合はメガバンクに法人口座を開設しなくてもよいでしょう。
一方、地方銀行の場合はメガバンクと比べてある一定の地域において支店網が充実していることからメガバンクよりもミクロな地域の経済情報の質が非常に高いです。地域密着の経営を行っているためたとえ小規模の企業であっても、最初から丁寧に対応してもらえます。 しかし一定の地域内でしか支店網が整備されていないため、全国的に事業を拡大しようと考えると途端に融通が利かなくなります。またメガバンクよりも規模が小さいため、金利が高く設定されているのもデメリットの一つです。 なにより一番のデメリットが地域に密着していることが災いして地元のネットワークを持っていないと有利な融資を受けることができないという点です。例えば地域の有力な企業の経営者とつながっている場合、例えそれが新参の企業であってもいきなり数千万円規模のプロパー融資を実行することが地方銀行ではよくあります。逆に言えば地域の有力者とのコネがないと、自分にとって有利な融資を受けることができないのです。 地方銀行は規模も小さく、全国的に事業の拡大を行う際には規模の経済性が物足りない傾向にあり、地域のネットワークがあるのとないのとでは融資の内容に差が出てきます。そのため、将来全国的に事業を拡大しようと考えている場合や地域の有力者のコネを持たずに資金が多く必要な事業を行う場合には地方銀行で法人口座を作らない方が将来的に有利になります。